貿易管理の概要

貿易管理の意義を理解したら、次は制度の概要を知ることです。
ここでは、日本の貿易管理制度の概要を説明します。
注意
説明簡略化のため、このページの情報には、不正確な部分があります。

貿易管理は2段階・1段目はリスト規制
輸出規制品の品目は、輸出貿易管理令(以下輸出令)別表第一に定められています。 この表には1項から16項まであり、その先頭部で
  1項   武器そのもの
  2項   核兵器関連
  3項   化学兵器関連
  3項の2  生物兵器関連
  4項   運搬手段(いわゆるミサイル)関連
が規定され、5項から15項にはその他通常兵器関連の品目が列挙されています。
 これらの品目のうち、規制対象となるもののスペックは、 「輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令」 (以下「貨物等省令)に記述されています。1項の武器についてはスペックに関わらず 規制されるため、輸出令別表第一の2項に対応する規定が貨物等省令1条に記載されると いうように、数字が一つずれています。
 2項から15項に記載された品目のうち、貨物等省令のスペックに該当するものは 「該当品」と呼ばれ、これを輸出するためには原則として経産省の許可が必要となります。 リストに記載されたものを規制するので、これを「リスト規制」と呼びます。

2段目はキャッチオール規制
 ほとんどの工業製品のうち、該当品を除くものが16項となります。 ほとんど全ての工業製品が対象であるため、
  ・輸出先が北朝鮮等特定の国・地域・紛争当事国
  ・用途が軍用
  ・需要者が軍関係
といったケースでのみ経産省の許可が必要となります。 ほとんど全ての工業製品を対象とすることから、「キャッチオール規制」と呼びます。

輸出可否判断手順
 従いまして、輸出の前にまず「該非判定」を行い、輸出貨物が該当であれば原則として 輸出許可申請が必要となります。「原則として」と表現したのは、少額特例等いくつかの特例があり、 適用できる特例があれば輸出許可申請は不要となるからです。 非該当であれば、仕向け国/用途/需要者に問題あるときのみ輸出許可申請が必要になります。

留意点
 該非判定は極めて重要です。上記手順の先頭にあり、 ここで判定を誤ると以後全ての手順を誤ることになるからです。 該非判定書は製造者に発行依頼することが多いのですが、 製造者発行の該非判定書を鵜呑みにしてはいけません。 該非判定は法上輸出者の責任であるため、製造者発行の該非判定書が誤っていたために 結果として無許可輸出となってしまったケースでも、罪を問われるのは輸出者です。
 該非判定に自信を持てないようでしたら、当事務所にご一報ください。 製造者発行の判定書の確認のみでも承っています。

キャッチオールの判断
 キャッチオール規制において許可が必要となるケースのうち、仕向国・地域については 省令で指定されていて明確です。輸出者が確認を怠ったとしても、通関士が止めてくれます。 でも、用途や需要者についてはどう判断すれば良いのでしょうか?警察権があるわけでなし、 一企業が取引相手を調査するにも限度があります。でも安心してください。日本の法令は 面倒なことを要求することはありますが、無理は要求しません。商談の過程で、「武器の 部品にする」等の情報がなければ輸出できます。ただ、問題になったときに備えて、 輸出前に適切に判断したことを示す証拠を残すべきです。 当事務所で チェックシート(*) を用意していますので、必要な方はご利用ください。


Note:
* 2017年6月現在有効な法令に基づいて作成しています。
 ご利用にあたっては最新のものをご使用ください。

柚木行政書士事務所
isamu@yunoki-office.biz